Thursday, August 25, 2005

張主簿草堂賦大雨

張主簿草堂賦大雨 元好問
ちょうしゅぼのそうどうにて たいうをふす

せき樹 蛙(かわず)鳴いて雨季を告げ
忽ち驚く 銀箭(ぎんせん) 四山(しざん)に飛ぶを
長江の大浪(たいろう) 横に(ほしいままに)潰えん(ついえん)と欲し
厚地高天 合囲するが如し
万里風雲 偉観を開き
百年毛髪 余威(よい)凛たり
長虹(ちょうこう)一たび出でて 林光動き
寂歴(せきれき)たる村きょ 落き 無無し

せき水のほとりの樹木で蛙が鳴きはじめ
雨の訪れを告げると
まあ、なんと白銀の矢のように早い雨
脚が、周囲の山なみに飛来してくる。
大川や大波は、勝手な方角に決壊し、
そのさまは大地と大空が、ひとつになって
取り囲んでいるかのようだ、
万里にわたって狂奔する風と雲は、
すざましい景観をくりひろげるので
わが一生の終わりまでも、そのすざましさに
髪の毛が逆立つようである。
やがて虹が長くそらにかかり、
七色の光で木立ちが明るくなると、
寂しい村里にさす夕日の光も
虹の華やかな色の前では一考にさえない。

石川忠久 漢詩へのいざない 
2005年4月~9月 80頁より

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